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リッチランド (2023):映画短評

リッチランド (2023)

2024年7月5日公開 93分

リッチランド
(C) 2023 KOMSOMOL FILMS LLC
森 直人

“愛するホームタウン”の「特殊」と「普通」について

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

米東海岸の典型的なサバービアに見える閑静で美しい街リッチランドは、マンハッタン計画の際に政府が作った原子力タウンだ。キノコ雲とB29という「戦勝国」のシンボルが散見されるが、住民たちは当然にも穏やかで寛容で善良な人々である(ちなみにシャロン・テートも一時期住んでおり16歳の時“ミス・リッチランド”になった)。

監督のI・ルスティックが捉えるのは、幸福と疑問、誇りと嫌悪が曖昧に手を取り合っている共同体の“平和な日常”だ。我々庶民は「政治」や「環境」をこの様に受容する(せざるを得ない)というサンプルケースとも言えるのではないか。『オッペンハイマー』『関心領域』に続けて観ると三部作の如く刺さる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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