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国境ナイトクルージング (2023):映画短評

国境ナイトクルージング (2023)

2024年10月18日公開 100分

国境ナイトクルージング
(C) 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES
平沢 薫

宙ぶらりんの日々、名付けたくない気持ち

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 まだ寒い季節、中国と北朝鮮の国境の町、延吉で出会った、まだ若い男2人と女1人が、なんとなく一緒に過ごす"休日"。それぞれが仕事を休業し、どこにも所属していない宙ぶらりんの日々だが、それが永久に続くわけではないことは分かっている。

 名付けると別のものになってしまう、ぼんやりした気持ち。なので、名付けず大切にする。そういう時間が描かれて魅了する。ロードムービーでもあるが、移動は目的地に着くためではなく、ここに留まらないためだ。

 監督・脚本はシンガポール出身の中国系監督、『イロイロ ぬくもりの記憶』『熱帯雨』のアンソニー・チェン。全編に、見知らぬ土地での地に足がつかない気分が漂う。

この短評にはネタバレを含んでいます
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