リトル・ワンダーズ (2023):映画短評
リトル・ワンダーズ (2023)ニューレトロなデイドリーム感横溢の傑作
OPの「SHOT ON KODAK」クレジットにまず痺れる。世界的な新潮流にもなっている16mmフィルムの魔法。『未来少年コナン』をこよなく愛する新鋭監督ウェストン・ラズーリ(90年生)が描くダートバイクキッズの日常冒険譚。特にアートワーク&デザインセンスの良さが光り、サイケデリア感覚も効いている。
70年代辺りのインディ映画ともテレフィーチャー調とも呼べる質感の中、『隠し砦の三悪人』『紅の豚』や大友克洋など日本ものの引用も楽しい。77年の全米ヒット曲、プレイヤーの「Baby Come Back」という唐突な選曲も絶妙。実はカルト集団に生まれ育った少女を救出するお話だったりするのも興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます