ヒューマン・ポジション (2022):映画短評
ヒューマン・ポジション (2022)いつもの日々の中で、人間が立っているところ
人間が位置しているところ。人間が立っているところ。在り方。タイトル通りのそれが、ノルウェーの小さな港町で暮らす人々の、いつもの日々の暮らしの中に、静かな筆致で描かれていく。
主人公と恋人は、同居しつつ干渉しないが、相手は彼女のために歌を作って歌ったり、彼女も相手のために椅子を見つけたりする。主人公は地方紙の記者で、ある移民が強制送還されたことを知り、それをどう書くべきか、関係者に会って話を聞いたりする。
ときどき画面に広がる町並みは、抑えた柔らかな色調で、いつも静かな空気が流れている。人間の姿はなく、音もしないが、人々がそこに住んでいることが伝わってくる。
この短評にはネタバレを含んでいます