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人体の構造について (2022):映画短評

人体の構造について (2022)

2024年11月22日公開 118分

人体の構造について
(C) Norte Productions - CG Cinema - S.E.L - Rita Productions - 2022
森 直人

人間も結局は「モノ」である

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

人類学者でもある奇才映像作家コンビ、L・C=テイラーとV·パラベルだけあり、『はたらく細胞』のような図解系にはならない。『リヴァイアサン』(04年)では魚やカモメの視点で人間中心主義から逸脱し、前衛的な映像詩のアプローチで漁船漁業を捉えた彼らが、今作では「医師の眼」で我々の肉体の中身を探索/分解する。

よく人体の内部は神秘的な宇宙に喩えられるが、マイクロカメラの接写が映すそれはどこまでも即物的。血まみれの洞窟や通路のようだ。生きている間の空騒ぎの様な最後のパーティーの場面――ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」がフルに近いほどの長さで流れ、壁の人骨画が明滅するトランシーな幕切れも印象的。

この短評にはネタバレを含んでいます
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