Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり (2023):映画短評
Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり (2023)渾身の演技がストレートな感動を誘う好例
台湾とマレーシア。主演2人の渾身の演技からは、両土地の“代表”というプライドがびしびし伝わってきて圧倒される。特に兄役のウー・カンレンは聾唖という設定から、感情を言葉で発せられない苦悶が、ある見せ場のシーンでは怒涛の渦のごとく観る者の心をかき乱す。俳優という仕事でひとつの試練を超えたようなパワーに感動しない人はいないだろう。
クアラルンプールのスラム街という舞台、および兄弟“として”成長してきた状況が、否が応でもエモーショナルな流れを作り出す。ところどころ思わず声を上げたくなるほど衝撃的な瞬間も…。観終わっての後味も人それぞれだろうが、そこが「映画」らしい。
香りや温度も伝わってくる映像も◎。
この短評にはネタバレを含んでいます