作品賞紹介
第83回アカデミー賞
『英国王のスピーチ』 (2月26日公開)
- 監督:
- トム・フーパー
- 出演:
- コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュほか
- 最多12部門でノミネートされ、本命に急浮上してきた本作は、ノミネート中、唯一のイギリス映画。過去21作のうち14作がアカデミー賞受賞につながった米プロデューサー組合賞(PGA)にも輝いた。吃音(きつおん)に悩んでいた英国王ジョージ6世と、彼を指導するスピーチ矯正の専門家のドラマは、第2次大戦開戦時のスピーチに挑むクライマックスまで、キャストたちの熟練の演技に引き込まれてしまう。ヒューマンな感動作や上質なイギリス映画は、アカデミー会員の好みでもある。
◆ 【受賞】 作品賞
◆ 【受賞】 主演男優賞(コリン・ファース)
◆ 【受賞】 監督賞(トム・フーパー)
◆ 【受賞】 脚本賞(デヴィッド・サイドラー)
◆ オスカー直前の胸中告白! コリン・ファース
◆ オスカー直前! トム・フーパー監督インタビュー
◆ J・ラッシュ「ライオネルの孫から資料を手に入れ、役づくり」
◆ コリン・ファース & ヘレナ・ボナム=カーター インタビュー
◆ コリン・ファースに直撃! 英国王を演じた感想は?
◆ 『英国王のスピーチ』の主役を断ったポール・ベタニー
© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.
『インセプション』 (DVD発売中)
- 監督:
- クリストファー・ノーラン
- 出演:
- レオナルド・ディカプリオ、エレン・ペイジほか
- 他人の夢の中に侵入し、潜在意識を操作するというとっぴなアイデアを、エンターテインメント大作に仕上げ、全米では3億ドル(日本円で約246億円/1ドル82円で換算)近くの興収を記録。レオナルド・ディカプリオら人気スターの共演もあって日本でもヒットした。渡辺謙の出演作が作品賞にノミネートされるのは『硫黄島からの手紙』(2006)以来、4年ぶり。街全体が動き出すなど夢の中の映像が驚異的で、技術部門などを含め8部門にノミネートされている。批評家と観客の両方から支持を集めた作品だ。
◆ 【受賞】 視覚効果賞
◆ 【受賞】 音響賞 & 音響編集賞
◆ 【受賞】 撮影賞
◆ 渡辺謙暴露? 「劇中の音楽にもトリックが仕掛けられている」
◆ ピート・ポスルスウェイト、がんで死去
◇ インセプション ブルーレイ & DVDセット(3枚組)【初回限定生産】3,980円(税込)発売中、ワーナー・ホーム・ビデオ
© 2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
『ソーシャル・ネットワーク』 (公開中)
- 監督:
- デヴィッド・フィンチャー
- 出演:
- ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールドほか
- ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門ほか、全米の各映画賞で軒並み作品賞や監督賞、脚本賞を受賞。アカデミー賞でも有力の1本。世界で5億人以上が利用するFacebookの創業者で、若き大富豪のマーク・ザッカーバーグ。そのサクセスストーリーを、ホロ苦い青春映画に仕立てたデヴィッド・フィンチャー監督は、前作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)でアカデミー賞13部門にノミネートされた。また、明日のハリウッドを担う若手スターが総出演しているのも話題となっている。
◆ 【受賞】 編集賞
◆ 【受賞】 作曲賞
◆ 【受賞】 脚色賞(アーロン・ソーキン)
◆ 主演のアイゼンバーグ「フィンチャー監督の現場は刺激的」
◆ フィンチャー監督「もともとFacebookを知らなかった」
『ザ・ファイター』 (3月26日公開)
- 監督:
- デヴィッド・O・ラッセル
- 出演:
- マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベイルほか
- 実在のプロボクサー、ミッキー・ウォードと、同じくボクサーだが刑務所生活も送り、弟ミッキーのトレーナーとなる兄ディッキーの物語。それを、迫力のボクシングシーンと共に、兄弟や母親、恋人のきずなをドラマチックに描いた力作。激ヤセし、髪も抜いてディッキーを演じたクリスチャン・ベイルほか、すべてのキャストが強烈な存在感で演技部門を中心に6部門7ノミネート。賞レースを目指す作品が相次いで公開される昨年末に、一気に注目度がアップした。
◆ 【受賞】 助演男優賞(クリスチャン・ベイル)
◆ 【受賞】 助演女優賞(メリッサ・レオ)
◆ 激やせ、脱毛! クリスチャン・ベイルの激変を監督が明かす
© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.
『トイ・ストーリー3』 (DVD発売中)
- 監督:
- リー・アンクリッチ
- 日本でも興収100億円超えのメガヒットを記録した、人気シリーズ3作目。持ち主の少年の大学進学によって、不要になるおもちゃたちの運命には笑いと感動のエピソードがぎっしりで、あらゆる世代の観客をとりこにした。アクションの迫力や、おもちゃのリアルな質感など、進化した3D映像も高く評価されている。ピクサー作品としては、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)に続いて、2年連続で作品賞と長編アニメ部門のダブルノミネートという快挙!
◆ 【受賞】 歌曲賞(ランディ・ニューマン)
◆ 【受賞】 長編アニメ賞
◆ 『トイ・ストーリー3』の作り方を監督とプロデューサーが明かす
◇ 「トイ・ストーリー3 ブルーレイ+DVDセット」3,990円(税込)
◇ 「トイ・ストーリー3 DVD」3,360円(税込)
◇ 「トイ・ストーリー3 ブルーレイ・トリロジーセット」9,975円(税込)ほか
Mr.Potato Head (R) © Hasbro, Inc., Slinky (R) Dog © James Ind., Etch A Sketch (R) © The Ohio Art Company, Toy Story © Disney / Pixar
『ブラック・スワン』 (5月13日公開)
- 監督:
- ダーレン・アロノフスキー
- 出演:
- ナタリー・ポートマン 、ヴァンサン・カッセルほか
- 主役のダンサーが白鳥と黒鳥を演じ分けるバレエ「白鳥の湖」。黒鳥を踊る自信がないヒロインが、ライバルからのプレッシャーや自分の心と葛藤するうち、狂気ともいえる世界に入っていく本作は、2010年のヴェネチア映画祭でも絶賛され話題に。鬼才ダーレン・アロノフスキー監督による現実と幻覚が混じり合う映像はもちろん、本格的なバレエシーンに挑んだナタリー・ポートマンの熱演が圧巻! すでに各賞を受賞した彼女は、主演女優賞部門でも最有力候補になっている。
◆ 【受賞】 主演女優賞(ナタリー・ポートマン)
◆ ナタリーのイメージを覆す体当たり演技にヴェネチアが沸いた!
◆ 1日5時間のバレエレッスン! 肉体の限界に挑む
◆ ナタリー・ポートマン「レズビアン・セックスシーンは親友と……」
© 2010 Twentieth Century Fox.
『キッズ・オールライト』 (4月29日公開)
- 監督:
- リサ・チョロデンコ
- 前哨戦となるゴールデン・グローブ賞で、作品賞とアネット・ベニングが主演女優賞(ミュージカル/コメディー部門)を受賞。同性のカップルが精子バンクを利用して出産し、思春期になった子どもたちが実の父親と出会う、とにかく斬新なストーリー。特別な家族を扱いながら、誰もが共感できる展開になったのが高評価のポイント。この作品でベニングは4度目のアカデミー賞ノミネート。相手役のジュリアン・ムーアも過去4回ノミネートされた実力派。
◆ ジュリアン・ムーア「演じた役がレズビアンというのは重要ではない」
◆ マーク・ラファロ「異性が気になる同性愛者を理解できる!」
© 2010 TKA Alright, LLC All Rights Reserved.
『127時間』 (6月公開)
- 監督:
- ダニー・ボイル
- 出演:
- ジェームズ・フランコほか
- 2年前にアカデミー賞作品賞など8部門を制した『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)のダニー・ボイル監督作。ロッククライミング中に岩の間で身動きできなくなった登山家の壮絶な運命が展開する。ユーモラスな描写から、目を覆うショッキング映像まで、1本に多彩な魅力が詰まった野心作。今年のアカデミー賞授賞式で司会を務めるジェームズ・フランコの主演男優賞など、計6部門にノミネート。実話が基になっている点が、オスカーレースにもプラス効果。
◆ ジェームズ・フランコ「撮影翌日、腕は紫色になっていた」
◆ キャスト、脚本家、モデルとなった登山家が語る『127時間』
© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX
『トゥルー・グリット』 (3月18日公開)
- 父親を射殺された14歳の少女が、腕利きの保安官を雇って復讐(ふくしゅう)の旅に出る感動作。監督は、アカデミー賞作品賞・監督賞などを受賞した『ノーカントリー』(2007)のコーエン兄弟で、主演は昨年、主演男優賞に輝いたジェフ・ブリッジスという強力な布陣。コーエン兄弟は昨年、『シリアスマン』(2008)も作品賞候補となり、その実力は誰もが認めるところ。期待の新星、ヘイリー・スタインフェルドの助演女優賞ノミネートなど、『英国王のスピーチ』(2010)に次ぐ計10部門のノミネート。
◆ コーエン兄弟を直撃! 「オリジナル作品からの影響は全くない」
© 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
『ウィンターズ・ボーン(原題) / Winter's Bone』 (公開未定)
- 監督:
- デブラ・グラニック
- 出演:
- ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークスほか
- 2010年のサンダンス映画祭グランプリからアカデミー賞への道をたどった1作。貧しい山岳地帯で、うつ病の母や幼い弟妹の面倒を見る17歳の少女を主人公に、アメリカ社会の暗い現実をリアルにとらえつつ、家族のきずなをエモーショナルに描いている。主演女優賞にもノミネートされたジェニファー・ローレンスの切実な名演が胸を打つ。日本では公開未定だが、アカデミー賞の結果次第では公開が決まるかもしれない。
◆ デブラ・グラニック監督に聞く! 「恋愛設定のない稀な作品に仕上がったのは原作者のおかげ」
© Sebastian Mlynarski / Courtesy of Roadside Attractions
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