アルマゲドン・タイム ある日々の肖像 (2022):映画短評
アルマゲドン・タイム ある日々の肖像 (2022)ビターな時代を生きる少年の青春残酷物語
NYの下町にカメラを向けたときのJ・グレイ監督の味を久々に堪能した。そして、その味はやはりビター。
主人公は反抗期のユダヤ系少年。彼と家族、黒人少年との絆や葛藤のドラマは、グレイの自伝的な物語ということで、リアルな視点で語られる。その過程で少年はほろ苦い体験をするが、A・ホプキンスが扮する祖父との交流に希望が見えるのがいい。
“アルマゲドン・タイム”はレゲエの名曲で、本作ではクラッシュによるカバーを起用。レーガン政権が始まった1980年代を時代背景にしているが、物語はトランプの時代にまで目配せする。“アルマゲドン・タイム”とはドツボの少年期代に加え、そんな保守の時代をも指すのだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます