ARGYLLE/アーガイル (2024):映画短評
ARGYLLE/アーガイル (2024)ライター4人の平均評価: 4
ヴォーン流スパイアクションの新次元
インドア派の女流作家が冒険に巻き込まれる……というと『幸せの1ページ』『ザ・ロストシティ』が連想されるが、そこはM・ヴォーン監督作、一筋縄ではいかない陽性のエンタメに仕立てた。
ヒロインがまったく冒険慣れしていないところが、まずイイ。諜報小説のプロでも本物の諜報活動に巻き込まれるとアタフタするのはお約束。一方で、彼女を救うスパイの頼りなさげで、頼りになるキャラも味。
そして中盤で明かされる、ある秘密の配置が絶妙。それまで見てきたものや、その後に見るものが新鮮に思えてくる。ヴォーンのスパイアクション『キングスマン』シリーズとは、まったく異なる面白さだ。
いつも以上にかっ飛んでいる。深く考えず楽しむべき
マシュー・ヴォーンらしいスタイルとユーモアあふれる映画ながら、これまでとは違っていて新鮮。ひとつ前の「キングスマン:ファースト・エージェント」に比べてずっと明るいのも良い。いつものことながら、あまり深く考えずに良い意味でのばからしさを堪能すべき。主演にブライス・ダラス・ハワードを据えたのは大正解。彼女が主演であることで、ひねりたっぷりの話がより効果的に展開するのだ。さらに、猫好きにとってはスコティッシュホールド、アルフィーのかわいさがたまらない(実生活で、監督の娘さんの猫)!窮屈かもなとの不安もありつつ、あのおしゃれな猫ちゃん専用バックパックが気になる人も多いのでは。
満足度高し!!本当に気が利いている
あの『キングスマン』のマシュー・ヴォーン監督作品で、しかも”スパイモノ”なので、絶対に楽しませてくれると思っていたのですが、その予想を嬉しい方向に裏切ってくれる痛快作に仕上がりました。入れ子構造を採用したことで実現した豪華キャストも、常に遊び心ある使われ方をしていて見ているだけで楽しくなります。演者たちも楽しそうに演じていて、それが伝わってきます。ストーリーに関しては”言わぬが花”の部分も多々あるのですが、めいっぱい準備して見に行っても発見のある鑑賞後の満足度が非常に高い作品でした。音楽のチョイスにも注目です。
ド派手アクションにスパイ映画的ヒネリをプラス
『キングスマン』シリーズのマシュー・ボーン監督らしい、リアリズムより派手さを優先した華麗なアクションが山盛り。恒例のポップソングに合わせてダンスのように繰り広げられるするアクションシーンは、今回は切れ味はゆるめだが量をたっぷり増量。顔ぶれを見るだけでお腹いっぱいになりそうなほどの人気スターの豪華共演も楽しく、中でもデュア・リパはブロンドがお似合いで、ミュージシャンが本業とは思えない女優ぶり。
ド派手なアクションが楽しい映画でありつつ、予想以上のかなり大胆なストーリー展開も見どころ。スパイものというジャンルに相応しく、登場人物たちの正体の"え~っ!?"と思わせる二転三転ぶりも楽しい。