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ウェイキング・ライフ (2001):映画短評

ウェイキング・ライフ (2001)

11月16日公開 101分

ウェイキング・ライフ
(C)2001 TWENTIETH CENTURY FOX.
平沢 薫

リアルとアンリアルの境界が溶けていく

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 今、夢を見ているのか、起きているのか、それがはっきりしないあやふやな感覚。本作の実写映像をデジタル・ペイントした不思議なアニメーションは、そんな感覚を引き起こす。この感覚は日常生活から切り離された2020年春の今、さらに味わい深い。目に見えているものの形が定まらず、常に変形し続ける。見えているものと自分の間の距離感が不安定で、うまく測れない。身体がふわりと浮遊するときの奇妙な既視感。そこから見下ろす風景は、いつも見ているもののようで初めて見るもののようにも見える。無数の登場人物たちが人間とは何かについて語るが、それを語る彼らの形が定まらないことの方に目を奪われて、言葉がただ素通りしていく。

この短評にはネタバレを含んでいます
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