懺悔 (1984):映画短評
懺悔 (1984)ジョージアの巨匠アブラゼの「祈り三部作」が上映中
ジョージア(旧グルジア)の巨匠テンギス・アブラゼ監督の『祈り』(’67)と『希望の樹』(’76)、そして『懺悔』(’84)。いわゆる「祈り三部作」が岩波ホールにて上映されている。いずれも、宗教の対立や古い因習、独裁者の支配による庶民の苦難を、時に幻想的に、時に詩情豊かに、時にユーモラスに描いており、その普遍性は今なお色あせない。本稿の採点は三部作全体に対してのものだ。
中でも必見は今回が本邦初公開となる『祈り』。コーカサス地方の特異な地形と中世の建築物がシュールで厳かな雰囲気を醸し出す。その映像美は、まるでカール・ドライヤーとタルコフスキーを足してドイツ表現主義で割ったような素晴らしさだ。
この短評にはネタバレを含んでいます