スカーフェイス (1983):映画短評
スカーフェイス (1983)銃弾と血の雨が降り注ぐオペラティックなギャング映画
アメリカの麻薬汚染が深刻だった’80年代初頭、その最前線マイアミを舞台に、弱肉強食の裏社会で麻薬王へと上りつめるキューバ難民のチンピラの栄光と転落を描く。ギャング映画の古典『暗黒街の顔役』を下敷きに、麻薬ビジネスの実態を綿密に取材しつつ、アメリカンドリームと資本主義の闇を映し出すコンテンポラリーな犯罪映画へと仕上げたオリヴァー・ストーンの脚本が秀逸。もちろん、公開当時非難の嵐だったブライアン・デ・パルマ監督の凄まじいバイオレンス演出も、この破滅的な殺し合いの物語に生々しい説得力を与える。中でも、あのスピルバーグも撮影を見学したクライマックスの銃撃戦は圧巻。(スターチャンネルにて5月放送)
この短評にはネタバレを含んでいます