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アンダー・ザ・スキン 種の捕食 (2014):映画短評

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 (2014)

2014年10月4日公開 108分

アンダー・ザ・スキン 種の捕食
(C) Seventh Kingdom Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

相馬 学

スカヨハの裸がどうでもよくなる、スキのない映像世界

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 見ていて『2001年宇宙の旅』を思い出したのは、説明的なセリフが一切排除されているからだけではない。スキのない映像の構図によるインパクトもなかなかのもの。

 不協和音をバックに光が少しずつ広がり放射線状と化す長いファースト・シーンからして尋常じゃないが、ヒロインが獲物を求めて夜の街を流す風景のドライ感といい、黒と白の色使いと液状のぬめりが鮮烈な捕食シーンの異様さといいい、何か“ヤバい”ものを見てしまった衝撃が脳裏に刻まれる。

 スカーレット・ヨハンソンのフルヌードは話題となっているが、それ以上のインパクトをあたえる怪作。誰にでも気軽に勧められる作品ではないが、映画ファンは見ておくべき。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

この女優にはなぜ人間以外の役が似合うのか解明したい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

説明は一切ない。なので、観客はスクリーンの上で起きる出来事を見ながら、それがどういうことなのかを考え続けることになる。その体験が、刺激的。

音楽は、画面で起きていることには寄り添わない。画面ではなく物語の展開に沿って変化していく。音楽は英国のミュージシャン、ミカチュー。監督はRadioheadやUNKLEのクリップを手掛けたジョナサン・グレイザーだ。

寒いスコットランドの田舎町。人間ではない存在が、人間の皮膚をまとって動いていくうちに、感情というものの存在を知って驚愕する。やがて身体というものを発見しておののく。その畏れと歓びを、スカーレット・ヨハンソンが体現している。
 

この短評にはネタバレを含んでいます
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