ローン・サバイバー (2013):映画短評
ローン・サバイバー (2013)“ローン(=ひとり)”ではなかった戦士の硬派物語
アフガンの岩山でネイビーシールズ小隊が繰り広げた死闘の実話。『ブラックホーク・ダウン』のような圧倒的なリアリズムでその壮絶さを体感させるのは間違いないが、それだけには留まらない味が本作にはある。
前半では隊員間の強固な絆が強調され、後半では反タリバンの現地の村人と主人公の交流のドラマが展開。主人公が生き延びることができたのは、まさに他人とのつながりがあったから。それが本作の背骨として機能し、ドラマを歯応えのあるものにしている。
タイトルは“唯一の生存者”だが、この生存には多くの人間の意志が働いている。“ひとりでは、生き残れなかった。”という宣伝コピーは的を射た、良い文句だと思う。
この短評にはネタバレを含んでいます