ラスト・ベガス (2013):映画短評
ラスト・ベガス (2013)ライター3人の平均評価: 3
EW&Fの「セプテンバー」がぴったりだ。
この4人が同世代の役?と訝りはしたものの、なかなか素敵なコンビネーションだ(調べたら、モーガンだけ10歳弱年長なんだね)。おそらく『ハングオーバー!』的シチュエイションを大ヴェテランたちにやらせたら?的な安易な発想による、まったく予想を反する展開のないプログラム・ピクチャーだけど、本人たちが楽しんで演じているのがよく判る気楽さが取り柄。ダグラスとデ・ニーロが恋の鞘当てを演じる相手がM.スティーンバージェンだとか(相変わらず可愛い)、クラインが「リフレッシュしてきてね」とばかり妻からバイアグラとコンドームを渡されてるとか、ちょいとオッサン心をキュンとさせる要素があるのもいい。
元気なシニア世代の巻き起こす愉快な珍騒動
これだけのベテラン大御所スターが揃って、こんなにもお気楽&おバカ全開のコメディに仕上がったというのは、いろんな意味で痛快だと思う。肩の力を抜いたオスカー俳優たちのワルノリ演技がなんとも楽しげだ。
基本路線はシニア版「ハングオーバー」。老化ネタや下ネタなど自虐的な笑いを散りばめつつ、元気なオジイチャンたちがラスベガスで巻き起こす珍騒動を描く。若造なんかに負けてられるか!という老人パワーを応援しながらも、老境に差しかかった男たちの悲哀を滲ませるバランス感覚が丁度いい。
マドンナ的存在の熟女メアリー・スティーンバージェンも相変わらずキュート。オリジナリティには欠けるが、とても微笑ましい作品だ。
気持ちとしては「黄金の星3つ」!
別に高得点じゃないけど、肩の力を抜いて観れるしぶっちゃけ大好き。…という類の映画が筆者にはよくあるのだが、本作はその典型。ジジイ版『ハングオーバー!』と言うしかないユルい企画を、『クール・ランニング』などの職人監督ジョン・タートルトーブが安定感ある娯楽作に仕上げている。
大物4人組がビキニコンテストでLMFAOのレッドフーと絡んだりするチャラいシーンが特にイイ。ご年配が現役で楽しんでいる様子を観るのは、中年以下の男にとって心の健康にすこぶる良い。彼らは「将来」「未来」のサンプルであり、その姿がきらきら明るいと希望が湧いてくるから。
かっこよくて、色気と軽みのあるシニア俳優は映画界の宝!