オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 (2013):映画短評
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 (2013)ライター2人の平均評価: 3.5
洋画の「限定公開」はむしろ秀作の証かも
本作は一週間限定公開(関東・近畿地区のみ)。そんな洋画こそ要注目。最近では『クロニクル』が良い例だが、なんとか日本でも劇場で掛けて評価の壇上に乗せたい!という配給・宣伝の「熱」が背後にあるからだ。
実際、これは拾い物以上の面白さ。「80年代感」たっぷりの爽やかなスモールタウン物。主演のアントン・イェルチンは『ティーン・ウルフ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の頃のマイケル・J・フォックスを彷彿とさせる感じ。
何よりの驚きは、『ハムナプトラ』など大味系のS・ソマーズ監督が軽快に演出力を発揮していること。ホラー、アクション、青春ラブストーリーなどの諸要素を小ぶりのサイズで巧くまとめている。
アントン・イェルチン、頑張ってます!
映像化作品には恵まれないディーン・クーンツの原作×スティーヴン・ソマーズの顔合わせ。最初から”そこそこ”だと思って見れば、案外楽しみは多いスリラーだ。
惨劇が起こるはずの”Xデー”までがやや長く感じるが、事件の核心はスーパーナチュラルを巧みに使ったミステリーの要素が面白く、全貌が見えるとなるほどという感じで原作に興味がわく。
映像に目新しさはないが、何より時にコミカル、時にシリアス、結構アクションと活躍する、見えないものが見える”フリーター・ヒーロー”ことアントン・イェルチンの頑張りが見もの。ウィレム・デフォーもいい味。肩の凝らないポップコーンムービーとしてはアリ(1週間限定公開)。