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パラダイス:愛 (2012):映画短評

パラダイス:愛 (2012)

2014年2月22日公開 120分

パラダイス:愛
(C) Vienna 2012 | Ulrich Seidl Film Produktion | Tatfilm | Parisienne de Production | ARTE France Cinema
森 直人

感動的なまでに性格悪い!!!!!!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

ハネケに続くオーストリアの腹黒監督として、ウルリヒ・ザイドルは今年絶対チェックしたい。ただし作風はシニカル度数が強すぎて、視座のピントが合わないと危険。人間の両義性をそのまま出すので、何かと白黒はっきりさせたい真面目な人は「不快!」と吐き捨ててしまいそう。

本作は「善意」系の白人のおばちゃんが、ケニアのリゾートで無自覚の植民地主義者ぶりを全開にするお話。本人は乙女心で愛を求めているだけだが、客観的には現地の黒人男子を買春しまくるグロテスクな光景に……。

これが単に社会派的な風刺ならわかりやすいんだけど、同時にザイドルは彼女の奥に巣食う孤独を深く深く見つめるのだ。本当モヤモヤするほどの傑作!

この短評にはネタバレを含んでいます
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