万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳- (2014):映画短評
万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳- (2014)今どき「おのぼりさん」感満開のパリ・ロケも…。
そもそも主人公自らが「万能」と謳った時点でサスペンスが成立するか(何でもアリやん!)という疑念はさておき、この映画の基本設定自体が理解不能。何故あのルーヴルが、さんざ研究し尽くしたモナ・リザの「警備強化のため」、「外部の鑑定士」を「新規に」探さねばならないのか? その胡散臭さを感じ取れないだけでもう「万能」ではないだろ。いや本来、映画の物語なんて“子供だまし”くらいでいいと思っている僕だが、それは嘘を嘘として成立させる巧みな演出と台詞があってのこと。終始「非能」な役回りに甘んじる松坂桃李と彼(とモナ・リザ)を探す警察の、編集ミスかと思えるほどの緊迫感の欠如に子供も騙せぬ「無能」ぶりが顕著だ。
この短評にはネタバレを含んでいます