ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦 (2014):映画短評
ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦 (2014)ライター3人の平均評価: 4.3
才能も技術もなくても愛があるんです。
サッカーに詳しくないので「0対31」なんてスコアで負けたチームがあることも知らなかったが、そんな超ダメダメなアメリカ領サモア軍団の成長に胸をぐいとつかまれた。日本の高校生にもきっと負けちゃうだろうと思うくらいに技術も体力もないチームを見た序盤は「ワールドカップを目指すなんて無理でしょ」と感じるのだけど、とにかく全員が前向き。選手たちが海外から招聘したコーチに叱咤激励されながら努力し、島を襲った津波で心が折れそうになりながらも勝利を目指す姿に目頭が熱くなる。彼らが純粋にサッカーを愛しているのが伝わってくるし、これこそがスポーツマン魂ってもの! ワールドカップ前に絶対に見てほしい快作。
スポーツドキュメンタリーを超えた大いなる人間賛歌
サッカー世界ランキング最下位の米国領サモア代表チームが、“世界最弱”の不名誉を払拭すべくワールドカップ予選に挑む過程を捉えたドキュメンタリー。
人口が少ないのでプロが成立しない、仕事があるから練習時間が少ないなどのハンデを背負いながらも、誇りと根性だけは人一倍の選手たち。トランスジェンダーも社会の一員として受け入れる大らかで開放的なサモア文化、米本土からチーム強化のために招かれたオランダ人コーチとの確執と友情などを織り交ぜながら、ひたすら純粋にサッカーを愛する彼らの姿を通して、金銭や勝敗では計り知れないスポーツマン精神の素晴らしさを描く。単なるスポーツ・ドキュメンタリーを超えた人間賛歌だ。
W杯前にコレを見なきゃ!
侍ジャパンがW杯出場が当たり前になってきた今、改めて本選に辿り着く事の意義を噛み締めさせてくれるドキュメンタリーである。ただ、よくある弱小チームの奮闘記と高を括っていたら大間違い。急遽派遣されてきたオランダ人監督と信頼を育みまでの過程。現地ならではの、第3の性を持つディフェンダーの存在を受け入れるチームメイトなど、人種や文化の違いも乗り越えて1つになれるスポーツの醍醐味を彼らが教えてくれる。
サッカー界はしばし人種差別問題がニュースとなる。強かろうが技術が優れていようが、心豊かなこの選手たちの方がなんと魅力的に見えることか。身体能力は高いゆえ、日本のライバルとなる日も近い!かも。