おばあちゃんが伝えたかったこと カンボジア・トゥノル・ロ村の物語 (2011):映画短評
おばあちゃんが伝えたかったこと カンボジア・トゥノル・ロ村の物語 (2011)これでは活動報告です。
ポル・ポト政権下を描いたものとしては『消える画』、虐殺の当事者が過去を再現するものとしては『アクト・オブ・キリング』と対をなす作品。しかし映画としてはあまりに弱すぎる。“監督”として「作品内映画」を撮った村の人々も共同クレジットされているが、実際おばあちゃんが演出し、キャメラを握ったことのない村人が撮影しているので、演者の表情などほとんど映っていない。「キノ・プラウダ」?…いや、これではフィールドワーカーの単なるルポルタージュだ (54分しかないし)。起こっていることの全体像を見渡す第三者の目もしっかりなければ!むしろ村人が映画を作るにあたり、当時の出来事を具体化していく「絵コンテ」が印象的。
この短評にはネタバレを含んでいます