ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古 (2012):映画短評
ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古 (2012)日本の舞台人には耳の痛い言葉がいっぱい(笑)。
『マラー/サド』『マハーバーラタ』等の映像領域を超え、僕も敬愛するP.ブルックのワークショップ映画。しかし、深い。求められる演技のクオリティは「ほとんど音楽と同等」といってもいい、絶えず流れる時間の中にあるもので、感受性を研ぎ澄ましプレイしなければならない(ピーターは「演劇は決して自然主義ではない」という)。ベジャールやバウシュの舞台でも知られるS.シヴァリンガッパらとともに “模範演技者”的役割の笈田ヨシでさえダメ出しされる様子を前にして、同席する若い演技者たちはもうたまったもんじゃないだろう(笑)。一度観ただけではとても全部頭に入らない。ぜひ採録テキストで反芻するのをお薦めする。
この短評にはネタバレを含んでいます