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イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 (2014):映画短評

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 (2014)

2014年10月11日公開

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所
(C) 2014 Warner Bros. Ent. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights Reserved.

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 2.8

ミルクマン斉藤

チェロの弾き真似は巧いんだけどね、クロエちゃん。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

身体から遊離した魂が、瞬間移動もできず扉ひとつすり抜けられずに病院内をドタバタ走り回るのはユニーク(というより滑稽)ではあるが、そんな超自然的な設定が活かされるのは物語のごく一部。ほとんどは主観者のはっきりしない回想シーンで、それは甘ったるくて既視感ありありの青春恋物語と、センティメンタルな家族の愛情物語だ。つまり主人公に起こった過去の出来事と、脳死寸前状態にある現在とが幾度も往還するわけだけれど、そこにドラマティックな対応関係が薄いのが辛い。ま、交錯させるのは必然としても、もう少し立体的にできなかったものか。クロエもいささかわざとらしい演技だが、おじいちゃん役S.キーチは流石に巧い。

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なかざわひでゆき

クロエの美しさを堪能できる叙情豊かな青春映画

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 交通事故で最愛の家族を失い、自らも昏睡状態に陥った少女の魂が肉体を抜け出し、幸せだった17年間の人生を振り返りつつ、このまま家族と一緒に死ぬべきなのか、それとも踏ん張って生きるべきなのかを自らに問うていく。
 少女向けヤングアダルト小説が原作ということで物語の甘さは否めないものの、これが処女作となるR・J・カトラー監督の繊細な演出とクロエ・グレース・モレッツの瑞々しい演技によって、叙情性を湛えた品格ある青春映画に仕上がっている。
 特筆すべきは寡黙だが心優しい祖父を演じるステイシー・キーチ。ニューシネマを経て一時はB級映画の怪優に収まっていたが、老境に差しかかって実に味わい深い役者となった。

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相馬 学

端正な語り口とクロエに魅せられる青春ファンタジー

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 演出も映像も端正で、青春ドラマをキッチリと作ろうとする姿勢に好感。ヒロインの心の軌跡が丁寧にたどられており、叙情的な映像の美しさも手伝って、見ていて引き込まれる。

 物語の基盤はティーンの進路の葛藤で、それ自体に新味はないが、ヒロインが生死の境をさまよっている状態ゆえのファンタジー性は妙味。家族、祖父母との絆のエピソードも効いており、泣けるという点も抜かりない。

 完全なヒロイン目線なので、恋の相手である男キャラの決断を含め、共感できるか否かは男女で分かれるだろう。それでもクロエ・グレース・モレッツの若々しさは魅力的だし、チェロを演奏する際の彼女のたたずまいには、十分な吸引力がある。

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山縣みどり

ステイシー・キーチの静かな熱演に座布団10枚!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

子役の成長は実にトリッキーで、大人の役者へと移行する過程で出会う作品によって運命が左右される。その点、クロエはこの作品に出会えてラッキーだった。演じるのは彼女と同じ年齢の少女ミアで、事故で昏睡状態となった彼女の魂が物語を進行する。フラッシュバックの場面でミアが初恋の恋人との行き違いに苦悩し、進路に悩み、音楽への情熱を支えてくれた家族の愛情を再確認する姿が描かれる。彼女の17年間は世界情勢に何の影響も与えないけれど、見る人の胸に共感として突き刺さるはず。正直、お涙頂戴なメロドラマだし、祖父役ステイシー・キーチの名演にきっちり号泣。彼の演技を見るだけでも価値アリな青春ドラマです。

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平沢 薫

クロエ・グレース・モレッツだから全部OK!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

ローティーン女子が「こうだったらいいのになあ」と夢想する超絶スイートな世界---元パンクミュージシャンの両親に愛され、幼い弟は可愛く、カレシは人気ロックバンドのフロントマンで、自分はチェロの天才奏者---も、クロエだから説得力がある。「キャリー」も「モールス」も、いやこの子がそんな状況に陥るわけがないと思ってしまうが、本作の悲劇ならOK。幸福な状態もフラッシュバックでたっぷり登場、クロエの可愛いらしさを堪能させてくれる。ちなみにポップ音楽ファンとしては、ヒロインのボーイフレンドが契約するレーベルがMERGEなのがツボ。そうだよねMERGEな音だもん、NYには行けないよね的説得力あり。

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