マッド・ナース (2013):映画短評
マッド・ナース (2013)ライター3人の平均評価: 3
ガガちゃん御用達Z.ゴコの衣装も見もの。
いかにも凶暴そうで下品さ漂うパス・デ・ラ・ウエルタに劣情を催せる男はたとえ大腿動脈スパッと切られ、屋上から落とされたってシアワセだと思うが、実は男性嫌悪でレズビアン指向濃厚となると被害者も浮かばれないというもの。彼女が狂気の愛を寄せる看護師K.ボウデンがまた、大多数の男性観客好みの、絵に描いたようなベビー・フェイス。彼女のセックス好きを利用しての自分勝手でネジれた“復讐”は、ファム・ファタルものの一変種として結構きっちり撮られていて、今や醜い肉塊と成り果てた『白いドレスの女』のK.ターナーの登場も納得なのである。しかし終盤からの、ドライヴかかりまくったスプラッタは壮絶。やってくれるね。
セクシー・ナースのエロと暴力を楽しみたい方にぜひ
不誠実な浮気男を肉体で誘惑しては抹殺するセクシー・ナース。そんな主人公にマゾヒスティックな魅力を感じる観客がいるかはわからないが、予測不可能なコメディ・ホラーとしては及第点。
ヒロインの世直し的な虐殺行為は、やがて自身の欲望、すなわち横恋慕の相手を独占したいがための暴走へと変化。こうなると、彼女の行為そのものに“?”がつくが、それをブラック・ユーモアととらえれば、本作は大いに楽しめるだろう。
『エンター・ザ・ボイド』のパス・デ・ラ・ウエルタのミニスカ看護婦姿は、どう見ても“月間最優秀ナース”を受賞するようなキャラには見えないが、エロとスプラッターを楽しめれば、ツッコミもご愛嬌だ。
エロい白衣の天使には気をつけましょう!
高潔な職業なのになぜかHなイメージを抱かれてしまうナースってお気の毒。本作は白衣の天使アビゲイルがセクハラ男をお仕置きする勧善懲悪ものかと思いきや、彼女自身がトラウマを抱えた危ない人間というねじれ設定が面白い。正義(?)を貫く一方でキュートな新人ナースを酔わせて3Pしちゃうようなアビゲイルの複雑怪奇な心模様を解き明かす構成で物語は進み、とっちらかったように見せながらもきっちり収拾する監督の綿密な手腕に拍手を送りたい。エロい白衣姿で登場し、狂乱の限りをつくす主演のパス・デ・ラ・ウェルタは一世一代の当たり役といってもいい。ただし、本作を見たらナイチンゲールが草葉の陰で泣くのは間違いないね。