Mr.タスク (2014):映画短評
Mr.タスク (2014)![Mr.タスク](https://img.cinematoday.jp/a/T0020042/_size_640x/_v_1476436882/main.jpg)
ライター2人の平均評価: 3.5
しかも元ネタのネット広告はウソだったというオチも
人間がセイウチに改造されてしまうというトンでもないコメディは、実はバカバカしいだけじゃなく、ちょっとしたメタ構造になっているのがポイント。元ネタは、監督ケビン・スミスがキャスターを務めるポッドキャストに投稿されてきた求人広告で、そこから作られたこの物語の主人公は、ポッドキャスター。ウェブで無責任に情報をまき散らすこのキャスターが、悲惨な状況に陥るのだが、その実話も、ポッドキャストされるとただの爆笑ネタになってしまうのだ。犯人の動機があまりに悲しくて笑えなくなってしまいそうなところを、後半に登場するまさかの大物俳優の怪演ぶりが帳消しにして、最後はしっかり毒気の強いコメディに着地してくれる。
あの変装好き大スターも出ているのでお見逃しなく!
話題集めのためなら何でもアリのゲスなポッドキャストDJが、たまたま見つけた変わり者の老人を取材したところ、睡眠薬を盛られて監禁されてしまう。実はこのジイさん、自宅にやって来た人間を改造してセイウチに変えてしまうというサイコ野郎だったのだ!
…という、まことに人を食ったお話。引退宣言を撤回したケヴィン・スミス監督の新作は、『サイコ』や『悪魔のいけにえ』のパロディとも言うべきシュールなブラック・コメディ。よくよく考えてみると意味不明なのだが、狂気にも似た荒唐無稽なパワーで押し切ってしまう。ラストのセイウチ対決なんか傑作。あの変装好き大スターJ・Dもノークレジットで出てます。