ハッピーエンドの選び方 (2014):映画短評
ハッピーエンドの選び方 (2014)人間の死と尊厳の問題をシニカルなユーモアで描く
日本でも最近は終活なる言葉が流行っているが、高齢化社会になればなるほど、人生の幕の閉じ方は重要なテーマとなるのだろう。こちらは、老人ホームの仲間同士でお互いを安楽死させていくイスラエルのお年寄りたちの話だ。
病気の苦しみに耐えてまで生きながらえたくない、自分がいつ死ぬかは自分の意思で決めたい。そんな友人らのために安楽死装置を発明した主人公だが、その一方で罪の意識やモラルの線引きに悩むこととなる。
最初は限られた仲間内だけの秘密だった安楽死装置が、口コミの評判で引く手あまたになるという皮肉。罰当たりスレスレのシニカルなユーモアが、逆に死と向き合う老人たちの切実な想いを浮き彫りにする。
この短評にはネタバレを含んでいます