フリーダ・カーロの遺品-石内都、織るように (2015):映画短評
フリーダ・カーロの遺品-石内都、織るように (2015)遺品の数々が映し出す偉大な画家の素顔
没後50年を経て封印を解かれたフリーダ・カーロの遺品。その数々を写真に収めるべくメキシコへ赴いた世界的な写真家・石内都に密着したドキュメンタリー。
生前のフリーダが愛用したドレスや靴、コルセットなどから滲み出る故人の生き様。さらに、メキシコの独特な風土や伝統文化に囲まれつつ、石内はファインダー越しに偉大な画家の存在を感じていく。それはまるで、才能と情熱に溢れた2人の女性の魂が時空を超えて触れ合うかのようだ。
持ち主の人となりは勿論、時代や社会などの背景も映し出す品々。振り返って、自分の死後に遺された物たちが何を語るのか、そもそも語るもの自体があるのだろうか。そんなことも考えさせられた。
この短評にはネタバレを含んでいます