くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ (2012):映画短評
くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ (2012)これはみんな大好きになると思うよ。
原作はベルギー産、日本でもおなじみ絵本の人気シリーズ。オリジナルの画とお話でアニメーション化したという結構大胆な試みだが、これがもう新しいスタンダードになるほど良い出来で、優しい感触。
描かれるのはいつの時代にも必要な寓意だ。音楽家のクマのおじさんと、絵が得意なネズミの少女。孤独だった彼らの絆は社会的な制度や偏見を超えたところで築かれ、功利主義に対抗するものとして芸術の歓びがある。
若い監督のバンジャマン・レネールは宮崎駿の強い影響下にあるそうだが、淡い水彩スケッチ調の作画はまた独特のものだ。アカデミー賞では『アナ雪』『風立ちぬ』のライバルになったが、きっと本作を推した人も多かったと思う。
この短評にはネタバレを含んでいます