あの頃エッフェル塔の下で (2015):映画短評
あの頃エッフェル塔の下で (2015)実らなかった恋だからこそ美化し、執着しちゃうのな。
『そして僕は恋をする』のときも感じたが、デプレシャンの恋愛観ってスーパー・インテリジェント。主人公ポールと恋人が自由恋愛に走るのはサルトル&ボーヴォワールに憧れているせいもあるのだろうが、いかんせん二人の気持ちが薄っぺらい。愛情やさまざまな感情を文学的に表現することで本質が揺らぐのに気づかないのは若気の至りか。気取ってんじゃね〜よ、と心の中で何度スクリーンに突っ込んだか。ポールは過去の失った愛が人生にどのような影響を与えたかを探っていくけど、美化された元恋人への執着としか思えないその行為が答えでしょ。恋はきっちり終わらせるべし、というのがこの映画の教えと見た。
この短評にはネタバレを含んでいます