帰ってきたMr.ダマー バカMAX! (2014):映画短評
帰ってきたMr.ダマー バカMAX! (2014)ライター2人の平均評価: 3.5
この特別な味わいは続編でないと出せない!
爆笑というより、気持ちのいい苦笑の連続。実は不覚にもちょっと泣けた。「バカMAX」とは、意地でも「子供」で居てやる!という駄々っ子イズム、いや一種の覚悟のようなものだったのか!?
あの破壊的な『Mr.ダマー』コンビも、20年経てば見た目から完璧におっさんだ。同じ格好してるからこそ、余計にイタい。そして前半はハリーが主役格になり、知らん間にパパになっていたかも、という展開でモロに「大人」という主題を襲来させる。
この作劇なら、いくらでも感動や成長に日和れたはず。しかし本作はどこまでもくだらないギャグで徹底する。そしてバカという美しさの結晶が残る。やはりファレリー兄弟は「イノセンス」の作家だ。
呆れるほどにバカ。
当時のジム・キャリー人気もあり、カルトムービーとなった前作から20年。持ち前の顔芸がキツくなるほど、キャリーの老化が進もうが、相変わらずバカはバカ。下ネタ中心のギャグに、キャリーの妄想シーンなど、恐ろしいほど何も変わっておらず、呆れを越えて、ニヤつくばかり。前作『新・三バカ大将 ザ・ムービー』で、元ネタをリブートしてしまったファレリー兄弟だけに、もはや誰にも止められない感もある。監督十八番の容赦はないが、愛のある障がい者、同性愛者に対する差別、動物ネタも健在だが、その貫禄に圧倒されるキャスリーン・ターナーに、またもワンポイントで笑わせるビル・マーレイなど、やっぱり懐かしさを楽しむ一本である。