きみといた2日間 (2014):映画短評
きみといた2日間 (2014)ライター3人の平均評価: 3
出会い系サイトからだって真剣な恋は生まれる?
出会い系サイトで知り合って一夜限りのセックスを楽しんだ若い男女が、折からの猛吹雪によってアパートの部屋に閉じ込められてしまい、後腐れのない関係が思いがけず真剣な恋愛へと発展していく。
いつでもどこでもスマホやPCで出会える今どきの恋愛事情や、人間同士の繋がりが希薄になったと言われる世相を背景に、結局のところ人と人が愛し合うって何?という、ある意味で普遍的な恋愛テーマを掘り下げた作品だと言えよう。
よくあるラブコメと言ってしまえばそれまでだが、洒落たセリフやシニカルなユーモアはいい意味でインディーズ映画的。純朴青年全開のマイルズ・テイラーの好演を含め、チャーミングな映画ではある。
ど直球ラブコメを彩る、変化球キャスト
以前からマイルズ・テイラーの魅力は、青春スターだった頃のジョン・キューザックと似てると思ってたが、出会い系でのイマドキな出会いを描く本作は“大学生版『或る夜の出来事』”と呼ばれた、ジョンキュー主演“『シュア・シング』現代版”だ。とはいえ、ロードムービーでなく密室劇になのがミソで、キワどいセリフ満載な脚本もなかなか。とはいえ、肝心なのは下品にみえないヒロインの存在で、『ラブ・アゲイン』のベビーシッターや『ウォーム・ボディーズ』の親友役で目を引いたアナリー・ティプトンはその役目を十分果たしている。ルーベン・フライシャーのプロデュース作だけに、今後エマ・ストーンのように化ける可能性もアリ!
マイルズ・テラーの謎にちょっぴり迫れたかも
マイルズ・テラーは"いわゆる"イケメンではないのに「ファンタスティック・フォー」「恋人まで1%」、そして本作と、イケメン俳優が演じるような役が多いのが謎だった。が、本作でその謎の答にちょっとだけ接近。彼が演じる普通の現代青年は、醒めているが皮肉屋ではないという在りように、妙な説得力がある。この温度が低い感じ、とらえどころのない感じが現代的で、それを体現できるのが彼の資質なのかも。今後も求職コメディ「Get a Job」、帰還兵の心的後遺症を描く「Thank You for Your Service」、実在のボクサーを演じる「Bleed for This」と新作が続々で、今後が気になる。