ハリウッドがひれ伏した銀行マン (2014):映画短評
ハリウッドがひれ伏した銀行マン (2014)『キャノンフィルムズ爆走風雲録』の次はこれを!
スターは“向こう側”の存在だが、業界の偉大なる裏方は“理想的な仕事人”として具体的な憧れの対象=ロールモデルになる。本作の80年代を中心に米の独立系映画を支えた銀行員フランズ・アフマンも、柔らかな実直さと冷静さがとても魅力的だ。『バーフライ』で関わったミッキー・ロークいわく「彼は品がいい。メナヘム・ゴーランなんてシャツの前に食べかすがついてる」(笑)。逆にアフマンの天敵となる投資家ジャンカルロ・パレッティの“邪悪な脇役”ぶりも強烈!
娘が父を撮る『エンディングノート』式の情感は特に終盤で豊かに溢れ出す。締めにはポール・ヴァーホーヴェン(オランダ語でめっちゃ喋る)が意外にも粋な優しい一言を!
この短評にはネタバレを含んでいます