マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ (2015):映画短評
マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ (2015)ライター3人の平均評価: 3.3
お洒落でシックな21世紀版『アニー・ホール』
言うなれば『アニー・ホール』の21世紀バージョン。男は要らないけど子供は欲しい。そんな現代的ヒロインが理想のインテリ学者と知り合って略奪婚し、念願の子宝にも恵まれたものの、やっぱり自分に結婚は不向きだったのでは…?と考えて、彼と前妻の寄りを戻させようとする。
不器用なダメ女を演じさせたら天下一品のグレタ・ガーウィグは好演だし、ウディ・アレン風の知的なユーモアとニューヨーク流のシックなトレンド感も満載だが、どうもコンセプトばかりが先に立っている印象も拭えず。インディーズ系のラブコメらしいオシャレな雰囲気は楽しめるが、それ以上の何かが足りない。
グレタ・ガーウィッグはもはやジャンルなのかも!
恋愛力不足で、さらにはとっ散らかった人生で迷う主人公マギーの姿にものすごく共感できた。人生は想定外の連続なんだよね。それをなんとか軌道に乗せようと奇抜な作戦を練るのもすべては善意と前向きさからなので、彼女のジタバタぶりを素直に応援したくなる。独特のオフビート感覚と温かさがある、美人すぎないグレタ・ガーウィグはある意味、ロマンティック・コメディ界の救世主といえる。というかジェイソン・ステイサムと同じで、彼女はもはやジャンルなのかも!? ウディ・アレンとノア・バウムバックを足して2で割って、人生にすべって転ぶ等身大ヒロインを加えたらグレタ映画になるということね。
色とデザインが北欧のかわいいグッズ感覚
色彩が魅力。映画全編が、北欧製の可愛いグッズのような明るく鮮やかな色とデザイン。冬という季節、雪の白さ、インテリア、服装のすべてが、北欧っぽいキュートな色とデザインで統一されている。なので、ストーリーはただ可愛いだけではないのに、見終わった後でちょっと可愛い北欧グッズを手に入れた気分になる。
主要キャストたちが演じるのは、いつもの定番役柄。グレタ・ガーウィグのちょっと問題がある若い女性、イーサン・ホークのダメ男、ジュリアン・ムーアのインテリ女性など、安定の楽しさ。TV「ヴァイキング」のトラヴィス・フィメルが、この番組とはまったく違うタイプの役を演じているのが新鮮。