トランスフォーマー/最後の騎士王 (2017):映画短評
トランスフォーマー/最後の騎士王 (2017)ライター3人の平均評価: 3.3
ファンの期待を裏切らない新三部作の第一章
3作目のアポロ計画程度では物足りない!といわんばかりに、アーサー王伝説をも担ぎ出す。そんな大風呂敷的なストーリーに“らしさ”を感じるシリーズ最新作。
VFXを活かしたトランスフォームあり、都市破壊のスペクタクルありで、いつもながらのマイケル・ベイ演出の豪快さを満喫できるので、それを期待するファンを裏切ることはない。加えて、今回はスクラップ置き場やストーンヘンジなどの平原での見せ場も多く、怪獣映画的な興奮も体感できる。
シリーズを俯瞰するとメガトロンが甦り過ぎ…という気もしないでもないが、新三部作の第一弾としては手堅い作り。ウォールバーグの今後の活躍への期待込みで★一個おまけ。
3年に一度の、ベイ節マシマシ
シリーズの合間に撮る『ペイン&ゲイン』『13時間』などの秀作が日本で劇場未公開とあって、株が下落傾向のマイケル・ベイだが、この5作目では“もしも、ベイが『キング・アーサー』を撮ったら?”で幕開け。圧倒的なベイ節で魅了するが、このケレン味たっぷりの導入にノレれば、149分はアッという間だ。とはいえ、バンブルビーの設定はいつの間に変更され、売りだったオプティマスの出番は少なめ。子供受けを狙ったBB-8のようなスクィークスなど、その場しのぎの展開は否めず。対トランスフォーマー部隊の描写に妙に力が入っているのは、『13時間』好きとしては嬉しいが、シリーズのファンにとっては、それじゃない気もするし!
まったく異質な2者がビジュアルで融合する
"トランスフォーマー"と"アーサー王伝説"を合体させる。この大胆な発想で、異質なものが隣に並ぶ光景がまず楽しい。英国貴族の館の庭で、トランスフォーマーが変形する。さらにこの異質な2者を視覚的に結びつけるのが、ケルト十字の文様とストーンヘンジの遺跡。確かにケルトの文様は何か複雑な機械の配線図のようにも見えなくなく、ストーンヘンジの遺跡は、なるほど何かの巨大装置の一部として機能しそうな形状をしている。2つの異なる世界がどう融合するのかが見もの。
また今回は舞台のサイズも巨大化し、惑星丸ごと規模の出来事が勃発。このシリーズらしいスケールの大きさが、時間と空間の双方で実現されている。