ゆずりは (2017):映画短評
ゆずりは (2017)死を通して生の尊さと素晴らしさを描く
心に傷を抱えながらも葬儀社の営業部長としてプロに徹してきた主人公が、素直で純粋だが一般常識に欠ける新入社員の若者にハラハラしつつ、どこまでも遺族の気持ちに寄り添う彼の姿勢に大きく心動かされていく。
愛する人の死とどう向き合うべきか?という永遠のテーマを通して、全ての命の大切さと生きることの素晴らしさを描いた作品。極めてオーソドックスな作劇は恐らく好き嫌いが分かれると思うが、本名で主演に挑んだコロッケを含むキャスト陣のナチュラルな芝居、情感を大切にする加藤幾生監督の丁寧な演出とも相まって、地味だが味わいのある映画に仕上がっている。
この短評にはネタバレを含んでいます