光 (2017):映画短評
光 (2017)平凡な主婦の疲れた色気を漂わせる橋本マナミが秀逸
忌まわしい過去を共有する3人の幼馴染が大人になって再会することで、一見して平凡に思える日常の裏に秘められた狂気が徐々に頭をもたげていく。全編に渡って不穏な空気しか漂わず、主人公たちそれぞれの想いもすれ違うばかりで、ひたすら暴力的な破滅へと向かうしかない。欲望をむき出しにした人間の怖さと醜さに背筋が凍る。
その一方で、あまりにも共感しづらい登場人物しか出てこないため、「日常に潜む暴力」という現実と地続きの普遍性はなかなか見出しにくい。アンビエントなテクノを使用したサントラのセンスも斬新ではあるが、どこか違和感を覚えることも否めない。ただ、平凡な主婦の疲れた色気を漂わせる橋本マナミは好演だ。
この短評にはネタバレを含んでいます