ライオンは今夜死ぬ (2017):映画短評
ライオンは今夜死ぬ (2017)子供たちと戯れる名優レオーにアントワーヌの面影を見る
『大人は分かってくれない』の衝撃的な主演デビューが14歳。以来、60年近くに渡って、少年期~青年期~中年期、そして老年期と、その姿をずっとスクリーンに刻み続けてきた希有な俳優ジャン=ピエール・レオー。演技なのか素なのか分からないところがまた、映画ファンにある種の奇妙な親近感を与えてきたわけだが、それは本作でも依然として健在だ。
本人を彷彿とさせる老齢の映画スターが、朽ち果てた想い出の屋敷で今は亡き恋人の幻影と遭遇し、近所のちびっ子たちとの無邪気な映画作りを通して再び生の活力を宿す。人生の哀愁と歓びが鮮やかに交錯するのだ。かつての腕白坊主レオーがやんちゃ盛りの子供たちと戯れる姿は眩しい。
この短評にはネタバレを含んでいます