高崎グラフィティ。 (2018):映画短評
高崎グラフィティ。 (2018)無視できない「気持ち」が刻まれている
ありふれたポップソングをガレージバンドが全力で演奏しているような熱量と生っぽさが魅力。「ワンナイト」ならぬ高校卒業式後の数日間を、『ブレックファスト・クラブ』的な群馬高崎の五人組が生きる。彼らは自己決定が宙に放り出されたことで、社会から完全浮遊する特別な時間を共有することになる。
もっと主人公達の「階層」や「校風」が絞れていればいいのに、とか、定型を活かすというより呑み込まれている部分など、正直拙いと思う点は多々ある。だが油断していると思わぬところで加点が繰り出し、こちらの心に引っ掻き傷を作る。キャストは実力者を揃えているが、メインをエモさ重視、脇をしっかり安定させたフォーメーションも好感。
この短評にはネタバレを含んでいます