詩季織々 (2018):映画短評
詩季織々 (2018)中国市場を完全に把握した意欲作
『君の名は。』の制作スタジオ、コミックス・ウェーブの新作は、現代中国を舞台にした、かなりの挑戦作といえる。“中国版「ギャグマンガ日和」”「万万没想到」やその劇場版『ストームブレイカーズ 妖魔大戦』の監督と思えぬほど、おふざけ皆無、ノスタルジックにビーフン愛を謳う「北京編」に、ガチすぎるほど『秒速5センチメートル』オマージュな「上海編」。このように、中国人監督たちの新海誠リスペクトを猛烈に感じるなか、日本人監督による「広州編」の斬新さが際立つ。ファッション業界に生きる姉妹の姿は“80后(80年代以降に生まれた)作家”が描く世界観そのまま! 完全に市場を把握した構成に脱帽だ。
この短評にはネタバレを含んでいます