世界が愛した料理人 (2016):映画短評
世界が愛した料理人 (2016)料理ものの基本は満たしているが、バランスの悪さが気になる
究極の職人で、アーティストである料理人たちの腕前を見て、話を聞くのは、いつだって興味深い。だから料理関係の旅番組がたくさんあり、故アンソニー・ボーディンのようなセレブリティが生まれるわけだ。今作も、その基本的な楽しさはあるが、秀でたものはない。さらに、バランスの悪さが気になる。最初のほうは、エネコ・アチャとすきやばし次郎が交互に出てくるだけで、なぜこのふたつに絞られているのか、いまいちわからない。途中からほかの店やシェフも出てくるのだが、このふたり比べて圧倒的に浅い。すきやばし次郎は、世界のグルメが全員見たと言っていい「二郎は鮨の夢を見る」で十分語られたし、もっと違うことを知りたかった。
この短評にはネタバレを含んでいます