さよなら、退屈なレオニー (2018):映画短評
さよなら、退屈なレオニー (2018)現代社会の閉塞感に抗う少女の、ほろ苦いひと夏の経験
のどかで美しいカナダの田舎町を舞台に、孤独と不満を抱えた思春期の繊細な少女の青春が綴られていく。ネトウヨ的な過激発言で人気を博す地元ラジオDJの継父をはじめ、周りの大人はウザい偽善者ばかり。唯一大好きな実の父親はたまにしか会えず、学校の友達も遊ぶには楽しいが深い話の出来る相手じゃない。こんな退屈で息苦しい町、早く出ていきたい。そんな少女が仙人のように達観した地味な年上の青年に惹かれる。現代社会を覆う閉塞感や無関心、全体主義な空気を小さな田舎町のコミュニティに集約しつつ、自由を求めてささやかな抵抗を試みる魂の解放を描いた作品。青春ドラマというよりも社会風刺映画の傾向が強い。
この短評にはネタバレを含んでいます