モデル 雅子 を追う旅 (2019):映画短評
モデル 雅子 を追う旅 (2019)ライター2人の平均評価: 4
一人の女性が愛された記録
モデル・女優・映画人して30年に渡り一線で活躍したモデル雅子。そんな彼女が稀少ガンによって50歳の若さでこの世去った時、夫であり本作の監督でもある大岡大介は“モデル雅子を追う旅”に出ます。
約90分の上映時間には様々な人からの人間・雅子への愛情が込められていました。
写真家・スタイリスト・編集者といったモデル業の同志、高嶋政宏、中田秀夫、竹中直人といった映画人が彼女の魅力が語ります。
過去のアーカイブ資料も豊富でドキュメンタリー映画としても緩急のついた密度の濃に作品に仕上り、彼女の人生同様、映画もまた最後までチャーミングな結ばれ方で終わります。不思議なほど身近に“モデル雅子”を感じられました。
パーソナルな思い出を共有させてもらいました
もはや死語のDCブランドやハウスマヌカンなんて言葉が使われていた時代にデビューした雅子には文学の香りがあ理、独特な世界観で突出した存在だった。当時を知る身としては、ノスタルジーを感じる瞬間も多々。彼女をよく知る人々の言葉から浮かび上がるのは、30年も第一線で活躍し続けられた高いプロ意識や知的好奇心の強さだ。そして仕事への情熱。病を得てなお、「ビューティーならやれる」と言い切ったと知り、人気モデルであり続けた理由に納得。夫である大岡大介氏がモデルとしての雅子を追いながら、愛妻の死を受け入れるまでの物語のようでもあり、パーソナルな思い出を共有してくれてありがとうという気持ちになった。