エンテベ空港の7日間 (2018):映画短評
エンテベ空港の7日間 (2018)テロリスト側から見たエンテベ空港奇襲作戦の全貌
過去に幾度となく映画化されてきた’76年の「エンテベ空港奇襲作戦」。これまでの作品との最大の違いは、ハイジャック犯グループの主犯格であるドイツ人極左テロリストの視点から描いていることだろう。ナチスの戦争犯罪やアメリカの帝国主義を憎悪し、虐げられたパレスチナの人々を解放しようと立ち上がった彼らが、それゆえイスラエルのユダヤ人を人質にすることで、皮肉にもナチスと同じ過ちを繰り返そうとしてしまうジレンマ。その揺れ動く心情に焦点を当てたところは面白いし、同じようにホロコーストでは被害者だったユダヤ人の建国したイスラエルが、今度はパレスチナ人を迫害する加害者となる矛盾を突いている点も興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます