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出国 造られた工作員 (2018):映画短評

出国 造られた工作員 (2018)

2019年7月26日公開 105分

出国 造られた工作員
(C) D.seeD

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

山縣みどり

階級社会から離脱したつもりで、リアル階級国家に入国!?

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

韓国人拉致家族問題が元ネタの実話サスペンスで、政治に巻き込まれた一般人が哀れすぎる。主人公は、韓国でも移住先の西ドイツでもうだつが上がらない経済学者。大学にありがちな階級社会から離脱しても承認要求が高かったのが欠点で弱みを握った北朝鮮にグイグイ追い詰められていく。このあたりの描写が地味に恐ろしく、だからこそ真実味が高そう。謎のベールに包まれた北朝鮮の一端が垣間見えて、興味深し! 韓国やドイツ、ロシアの諜報機関が絡み合う終盤は映画的脚色と思うが、当時の北朝鮮の世界における立ち位置が理解できてないため、韓国以外の国の狙いがイマイチよくわからず。もっと勉強せねばと思った次第。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

騙されて北朝鮮スパイとなった男の実話

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 実話を基にした本作の舞台は、大韓航空機爆破事件が起きる前の’86年。西ドイツ在住の韓国人経済学者が、地位と名誉と豊かな生活を約束され北朝鮮へ渡ったものの、そこで待っていたのはスパイになるための過酷な洗脳教育。工作活動を命じられ再び家族と共に西ドイツへ戻った主人公は、一か八かの逃亡を試みるも失敗し、妻子を人質に取られてしまう。北朝鮮スパイの実態がまだ今ほど広く知られていない時代とはいえ、主人公の行動はあまりに軽率でナイーブだったと言えよう。そんな彼が妻子を取り戻すため奔走するわけだが、各国諜報機関はこの不幸な家族を救おうとするどころか、平然とスパイ戦争のコマとして利用。その冷徹さに背筋が凍る。

この短評にはネタバレを含んでいます
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