チャーリー・セズ/マンソンの女たち (2018):映画短評
チャーリー・セズ/マンソンの女たち (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
タランティーノの新作を見る前にこちらも必見!
60年代ハリウッドを舞台にしたQ・タランティーノ監督の新作に登場するマンソン・ファミリーのことをよく知らない人にオススメしたいのが本作。凶悪事件を起こし有罪になった女性たちに焦点を当て、マインド・コントロールされていた状況やチャールズ・マンソンという男の本性を明らかにしていく展開で、カルトの恐ろしさに息を飲む。中心人物レスリーをはじめとする実行犯3人の心模様の変化が伝わりにくく、その部分はもう少し掘り下げて欲しかった。一方、マンソン役のマット・スミスは熱演で、カルト指導者の異常性や卑小さが手に取るように理解できる。なぜ、こんなにも薄っぺらい男に多くの人々が従ったの?
若さ、愚かさゆえに道を間違った女性たちの悲劇
チャールス・マンソン事件からちょうど50年。あの殺人事件がアメリカを震撼させたのには、猟奇的だったことのほかに、実行犯が若いヒッピー女性たちだったこともある。刑務所に入った後、彼女らが当時を振り返る形で展開するこの映画は、彼女らに同情しすぎることなく、あくまでも冷静な視点で、彼女ら側のストーリーを語っていく。彼女らのやったことは断じて許されないが、若さゆえ、愚かさゆえに道を間違ったことには、やるせなさを感じずにいられない。タランティーノの「ワンス・アポン〜」は、この事件を知っている前提で作られているので、その予習としても見ておくことをおすすめ。