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i-新聞記者ドキュメント- (2019):映画短評

i-新聞記者ドキュメント- (2019)

2019年11月15日公開 120分

i-新聞記者ドキュメント-
(C) 2019『i-新聞記者ドキュメント-』

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

相馬 学

忖度社会、“私”はどう向き合うのか?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 東京新聞の望月記者の仕事ぶりについてはSNSを通じて知っていたが、その人間性を知るうえで、まず興味深く見た。

 “空気を読む“行為はジャーナリストの世界では必ずしも重要ではない。事実の追求のために、空気を無視する望月氏の姿勢。おなじみの官邸会見での質疑も、それを踏まえて見ると、この人の強さが見えてくる。

 しかし本作の肝は、その先だ。政治家も記者も警察官も“忖度”の世界に取り込まれている現在。それは辺野古や森友などの劇中で描かれる問題はもちろん、現在進行の“桜”についてもつながる問題。あなたはどう見るか?本作が問うのは、そんな個人の視線であり、望月記者を通して、それはシリアスに響く。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

この国のメディアのあり方を問う入魂のドキュメンタリー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 日本の政治を取り巻く腐敗した危機的な状況を、ジャーナリストと官僚の視点から描いたフィクション『新聞記者』に対し、こちらはその原作者である東京新聞の望月衣塑子記者の日常的な取材活動に密着することで、この国のジャーナリストが置かれた理不尽な困難を浮き彫りにしつつ、彼女がたった一人で権力に立ち向かわざるを得ない現状、つまり権力の監視という本来の役割をほとんど果たしていない日本のメディアの末期的な惨状を憂う。ことさら望月記者を英雄視するのではなく、むしろ本来ならば彼女の姿勢は新聞記者として当然なのではないか?と。と同時に、我々国民も政治に無関心でいてはいけないと痛感させられる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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