完璧な他人 (2018):映画短評
完璧な他人 (2018)ワン・シチュエーション物の旨味を口当たりに合わせアレンジ
良いリメイク。テーブルにスマホを置いて、「秘密」という弾丸を装填したロシアンルーレットに興じる(恐怖する)男女7人夜物語『おとなの事情』の韓国版。プロローグに少年時代の回想を置いた他は、ほぼオリジナルと同じ展開だが、随所のアクセントや台詞の変更・追加――例えば「すべての関係は違いを認め合うことから始まるってこと」(元々は「相手より優位に立とうと思わないこと」)などの微調整が巧く効いた。
着メロの「恋のサバイバル」がBGMへと拡大する演出も的確に強調。嘘や偏見の奥にある人間の重層性を意外に優しく包み込む。やはりラストのまとめ方にはやや唐突感があるのだが、個人的には伊版より近しい感覚で楽しめた。
この短評にはネタバレを含んでいます