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衝動-世界で唯一のダンサオーラ (2017):映画短評

衝動-世界で唯一のダンサオーラ (2017)

2020年3月13日公開 85分

衝動-世界で唯一のダンサオーラ
斉藤 博昭

一見カリスマ性がない彼女が、ひとたび踊り出せば豹変!

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ある時は、箱の中を這う昆虫のように見え、またある時は、本能のままにうごめく野獣のように見え…。重心低く、激しく足の音を響かせるフラメンコを基本にしつつも、ステージ全体と踊る自分を一体化させ、同じパフォーマンスでもその場、その場で全く異なる表現を試みる。しかも湧き上がってくるように即興で。
そんな稀有なダンサーの、情熱や創作の源泉を突き詰めてはいないものの、肉体から絞り出すように「伝える」苦闘に迫り、ドキュメンタリーとしての目的は果たされた。
むしろダンスにそれほど詳しくない人にこそ勧めたい。手脚が折れそうなほど細い肉体だけがダンスとして美しいのではないと、アートの豊穣さを強烈に実感できるはず。

この短評にはネタバレを含んでいます
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