最高の花婿 アンコール (2018):映画短評
最高の花婿 アンコール (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
時代の流れも汲んだギリギリの笑い
多様性の難しさとともに、宗教や文化の違いを分かりやすく描いた前作から5年。その間にテロに対する警戒心も高まったことで、ムスリム難民ネタもアリ、同性婚問題もアリと、時代の流れを汲んだギリギリの笑いを畳みかける第2章である。『シティー・ハンターTHE MOVIE』の香役を経たエロディー・フォンタンなど、前作キャストが再結集し、セリフをまくしたて、最終的に「家族も、フランスも最高かよ!」でまとめ上げる力業も相変わらずで、前作ファンなら楽しめる仕上がりといえるだろう。とはいえ、ハートウォーミングな展開もスパイスだった“多国籍版『ミート・ザ・ペアレンツ』”でもあった前作超えとは言い難い。
コスモポリタンになる難しさをコミカルに描写
4人の娘全員が外国人と結婚した『ヴェルヌイユ家の結婚協奏曲』の見事な続編。前作で仲良くなった外国人の婿全員がマイノリティでしかないフランスからの脱出(?)を目論む展開で、閉鎖的かつ保守的なフランス人の国民性を大いに反省。と思いきや、カルチャーギャップや異文化・他宗教、LGBTQを受け入れることの重要性をコミカルに描きつつ、「ビバ・フランス!」にしっかり落とし込んでいる。ドゥ・ショーブロン監督の祖国愛強し! もちろん嫌味な側面はなく、微笑ましいエンディングまで大満足。 ヴェルヌイユ夫妻を演じるC・クラヴィエ&C・ロビーは安定感のおもしろさだし、孫世代の物語などシリーズ化を望みます。