ラスト・サンライズ (2019):映画短評
ラスト・サンライズ (2019)『流転の地球』とは対極的な中国産SF映画の佳作
『流転の地球』の記録的な大ヒットにかき消された感があるものの、恐らく同作を「大味」と感じた映画ファンであれば、少なからず刺さるであろう良質な中国産本格SF映画。人類が全ての電力を太陽エネルギーで賄うようになった近未来、ある日突然、その太陽が消滅して地球が真っ暗闇に包まれてしまう。人々が食料や資源を巡って殺し合いを繰り広げ、気温の低下や酸素の欠乏が刻一刻と進む中、2人の男女が噂に聞いた「希望の地」を目指して過酷な旅へ出る。ウェットな『流転の地球』に対して、本作は非情なまでにドライ。絶望的な終末サバイバルをリアルに描きつつ、しかし普遍的なヒューマニズムに希望を託す。洗練された映像美も印象的だ
この短評にはネタバレを含んでいます