ふたりの映画ができるまで (2018):映画短評
ふたりの映画ができるまで (2018)アンナ・カリーナ似の女子に恋したゴダールマニアの映画青年
ゴダール好きな映画監督志望の若者が、映画館で知り合ったアンナ・カリーナみたいな女優の卵と恋に落ちるものの、写真家志望の親友と三角関係になってしまう。言うなれば、ジェームズ・フランコ監督によるヌーヴェルヴァーグへのラブレター。トリュフォーの『突然炎のごとく』を下敷きにしつつ、ゴダールの『女は女である』や『はなればなれに』を引用。それでいて’70年代のニューヨークが舞台なのは少々解せないものの、ベルトルッチの『ラスト・タンゴ・イン・パリ』やカーシュナーの『アイズ』など、当時の映画へのオマージュもふんだんに盛り込む。シネフィルの自己満足的なスノッブさは目に付くが、それも含めて憎めない映画だ。
この短評にはネタバレを含んでいます